初めての人事評価者が大切にするべきこと(部下理解)

株式会社キャリアリテラシーの野嵜です。

はじめて評価者になった方に向けて大切なポイントをお伝えいたします。

基本的には評価者になってもすぐに評価する機会はありませんので、評価者としての仕事はまだ先。と勘違いされる方も多いのですが、評価者としてのすぐにやらないといけない事はたくさんありますので、それをお伝えしていきます。

本日のテーマは「部下理解」になります。

部下の職位・等級を知る

評価者における部下理解でまず最初にすることは

評価制度での部下の位置づけを知る

まずはこれです。

各組織にてそれぞれの社員がどのような等級なのか資格なのか職位なのかは決まっています。

部下の制度上の位置づけを理解せずに評価することは部下に対して失礼なことですし、もちろん適正な評価もできませんので、まずは部下の位置づけを理解しましょう。

よくある評価者のパターンとして、年度末に人事から評価の依頼が来てから、初めて部下の等級や人事考課表を確認する。そしてなんとなく思い出しながら評価するというケースが日本中で行われております。

残念ながらそのような評価のやり方では、評価者として適正な評価ができないどころか、上司として部下に対する関心が低い。ということで信頼を無くしてしまう可能性がありますので、ご注意ください。

まずは、組織における部下の位置づけを知りましょう。

部下の今のレベルを知る

2つ目のポイントは

部下のスタート地点を理解する

ということが大切になります・

評価者(上司)は被評価者(部下)の成長を適正に測ることが使命のひとつになりますので、成長のスタート地点を知らずにゴールだけを評価することは支援者である評価者として大きなマイナスです。まずは評価者として部下の現状理解をはじめましょう。

まずは評価者としての部下のスタート地点で理解するべきことは

  1. 部下のこれまでのキャリア(職務)とスキルを興味を持って理解する
  2. 部下の動機付けになる対象や長所を積極的に把握する
  3. これまでの課題や失敗を、グイグイとではなく確認レベルで問いかける

あたりになります。

一言でいえば、部下に関心を持つ。

ということになります。

評価者(上司)になったばかりは業務が落ち着かないですし、ゆとりもないので、部下の話をじっくりと聴く場面はなかなかないと思います。

ただ、その忙しい最中に、部下のことを理解する姿勢はきっと、部下にも伝わります。

また評価でも「部下のことは理解している」という自信がつき、納得度の高い評価を実現することは出来ます。

もちろん業務面での関心だけではなく、部下の

  • 誕生日
  • 住んでいる場所
  • 好きなもの(趣味)

あたりを上司として理解しておくとちょっとした話のきっかけにもなりますのでオススメです。

部下の今後の目標を知る

最後はやはり

部下の目指していることを理解する

になります。

ただし「目指していること」は人それぞれ違い、押し付けない。ということが前提になります。

例えば「目指していること」は役職だけではない。ということです。

  • 〇〇という業務ができるようになる
  • ▲▲さんに褒められたい
  • とにかく効率的に給与を上げたい
  • 会社の理念に忠実に顧客に貢献したい

など、様々な「目指していること」に上司は「慣れる」そして「共感する」ことが必要です。

共感もしてもらえずに、自分の価値観を押し付けてくる上司についていこうとも思わないですし、評価もされたくないと思っています。

理解するというのは、「頭」ではなく「腹(心)」でするものです。

そして、部下が目指している「目指していること」をメモしておきましょう。

それが後々じっくりと効いてきます。

あらためて、

評価者に評価者になった時にすることは

  1. 「部下の職位・等級を知る」評価制度での部下の位置づけを知る
  2. 「部下の今のレベルを知る」部下のスタート地点を理解する
  3. 「部下の今後の目標を知る」部下の目指していることを理解する

以上になります。

本日は以上です。

この記事を書いた人

野嵜 晃弘

大学卒業後、入社した小売業で店長など現場の経験を積み、総務部へ異動後は、評価制度のみならず労務制度、育成制度、福利厚生など人事制度全般を大幅に見直し、社員の定着率向上を実現した。独立後は人事制度コンサルタントとして、制度構築から評価者研修、運用定着まで一気通貫をモットーに4年間で30社以上の評価制度に携わる。運用まで辿り着かず途中で頓挫することがある評価制度において、制度構築および運用100%を実現。またキャリアコンサルタント資格を活かしたフィードバック面談支援や制度運用を通じて人事社員の育成を得意領域としている。

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